以前「ためして合点」で説明した、特に望まれる食生活  

この部分は、まだ未完成ですが、Q&A (質問と答え)、つまり志之輔さんと私とのやり取りを記せば、簡明で読みやすいのではと思います。一応録画を改めて見直して、完成したいと思っています。 放送はかなり前ですが(1997年12月)、内容的には今でも充分通用するものと考えます。 なお現時点で、追加したらよいと思う点は、若干追加しています。

 

Q  この食生活とがん予防の報告書ですが、700頁ありとても重いです(報告書を持ちながら)。しかも英語ですから、どうにもなりません。 それで今日は、世界の15人の編纂委員の中の、日本から2人参加された編纂委員のお一人、九州大学医学部名誉教授で中村学園大学教授の、廣畑富雄 先生に来ていただきました。がん予防に特に大切な14ヶ条があるという事で、それを中心に話を進めて行きたいと思います。

 

Q ここに述べてある望ましい食生活をすれば、がんの30%から40%の予防ができる、その可能性があるということですね。そしてがん予防のための、14ヶ条の勧告ですが、特に日本人はどういう点に注意すれば良いのでしょうか? 

 

A 食事全体について言えば、動物性の食事ではなく、植物性の食事をすることが大切です。言葉を変えれば、肉中心の食事ではなく、野菜や果物を中心とした食事にする、それが大切です。今はどんどん肉中心の食事になっていますが。

 

A 具体的には、野菜と果物を、一日に400-800g食べることを勧めています。一方牛肉や豚肉などは、一日に80g程度に抑えることを勧めています。これは平均した値で、日によって量に上下があるのはかまいません。魚肉を多く食べることを勧めています。

 

A 植物性の食事、それに入るのですが、一日に600-800gの穀物、豆、イモ類を食べることを勧めます。 穀物は、あまり精製されていないのが望ましい。 白米ではなく、胚芽米にするとか、麦を入れるとか、工夫が望ましい。

 

A 食塩の量ですが、日本人は塩分を多くとる、平均して一日に10g以上とっています。その量を半分にするのが望ましいのです。昔食べ物の保存法がなく、塩づけにしました。お米の御飯が甘いから、漬物や梅干しを食べるとか、塩のとり方が多くなりました。我々の勧告は6g以下です。 食塩は、胃がんのリスクを上げる。また高血圧になりやすい。各国の国レベルの勧告でも、5g以下とか、6g以下とか、食塩の制限を勧めています。

 

A 飲酒は一般的には勧められない。具体的には、平均して日本酒で1合以内との勧告です。ビールなら中ビン1本弱、ウイスキーなら水割り1杯になります。日によって多く飲む日もあるでしょうが、平均してこれぐらい以下という勧告です。

 

A 毎日運動をするのは大切ですね。たとえば毎日30~60分さっさと歩くとか。太りすぎの人が多くなってきていますが、適正な体重を保つ、これも大切ですね。体重をKgで表し、それを身長(メートルが単位)で2回割る、その値がBMIです。たとえば 70kgで、身長が1.65mであれば、70÷1.65÷1.65で、BMIは25.7です。適正なBMIは、22から25の間です。 少し減らした方が、良さそうですね。

 

A サプリメントに頼らないこと。望ましい食生活をしていれば、原則としてサプリメントはいらないでしょう。それが我々の 勧告です(今はサプリメントの全盛時代ですが、本当に必要でしょうか?)

 

A この報告書は、食物・栄養を対象にしていますが、タバコについても一言触れています。タバコは初めから吸わない、もし吸っていれば止める、それが大切です。タバコを吸うと、全部のがんをまとめてみて、がんへのリスクが50%ぐらい増えます。喉頭がんなどは、何十倍になります(言葉を変えれば、タバコを吸わなければ喉頭がんはまず起こらない)。がん予防に、喫煙防止はとても大切です。

 

追記: 検診を受ける、たとえば大腸がんに関していえば、便の潜血反応をみる、さらに内視鏡の検査をし、ポリープや初期のがんを切除する、そういう検診も大切です。また感染の影響がかなり分かってきて、子宮頸がん予防のためのワクチン接種、胃がん予防のためのピロリ菌の除去、なども大切です。また治療法として、以前は切除手術が圧倒的に大事でしたが、今は放射線による治療、その他いろいろ選択肢が出てきました。

 

未完